■■002 按針和尚の按針和尚の辻説法『P-38』

当クラブ会員・按針和尚の説話をお届けします。 『カタチ』=『機能』と習ったのはVE(Value Engineering,価値工学)の研修会で習いましたが、おおなるほど!模型を作るときに、こういった脳内の遊びをするのもおもしろいっす。

・双胴の稲妻をつくる・・・



「るーぷあんてな杯V」(※)と「静岡」(※)めざして、拙僧はP-38Jを作りますだぁ。 ・・・と、いきなり作る前に、P-38がどんな飛行機か考えてみちゃったりして・・・。

※るーぷあんてな杯 当クラブの会内コンペ。第3回はお題が『カミナリ』で05年1月に開かれました。

※静岡 毎年5月に開催の静岡模型教材協同組合 主催の『モデラーズクラブ合同作品展』を指してます。

・ひこーきの重さ?



っていきなり、P-51D。 アメリカが生んだ「最高のレシプロ戦闘機」の誉れ高い優秀機だが・・・唯一の悩みが機体が『重い!』こと。 絶対的な重さ(※)じゃないよ、相対的に重いということ。 写真をよーく見てね、長〜いノーズに対して、テールアーム(主翼から後ろの胴体のこと)が短いでしょ? これって、短いテールアームでも長いノーズとつりあいがとれる、つまり短いけど重いってこと。

短くて重いところに大容量の燃料タンクを積んだから、フルタンクのときはもう大変!残量が1/2以上あるときは曲技飛行が禁止されていたもんね。 侵攻のときなんか、先ず胴体内タンクの燃料を半分使って、それから増槽の燃料を使って・・・ってやってたから空戦後は帰路の燃料が結構ヤバかったらしい。

※絶対的な重さ P-38J  :自重5,806kg 装備重量9,800kg P-51D  :自重3,230kg 装備重量5,490kg キ84-I甲:自重2,698kg 装備重量3,890kg

・で、P-51Dに匹敵すると賞された疾風は?



空冷エンジンの短い機首に対してテールアームが長い感じがするでしょ?機体構造が軽かったってことですね。 それでも2000馬力級エンジンを積んだ疾風は日本機のなかでは重量級ですが。

・P-51Dと疾風の平面形を比べてみると・・・。



機体の重心をあわせて両機をならべてみると・・・。 ね?ノーズ、テールアームの長さの違いが解るでしょ? P-51の重心(=主翼の揚力発生位置)は主翼前縁から後方に向って60%あたり、かなり後ろに重心があるってことですね。

・だから・・・?



で、P-38・・・ 仮組の写真をよく見てね。 テールアーム、長いでしょ?しかも2本だからね。 という事は・・・双発双胴の大きな戦闘機だけど、機体の構造は『軽い』ってこと(相対的にだよ)。

・・・そこで、按針航空機製造としては、大きいけど意外にも軽快な機体。その雰囲気をどうやって表現するか?が今度のモデリングの課題になるわけですね。 では続きは(※)出張から帰ったら・・・。

※続きは 残念ながら按針和尚作P-38ライトニングは完成していません。でも、按針和尚さま実はライトニング好き!そのうち素晴らしい軽快ライトニングを披露してくれることでしょう。

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